2012年4月11日 ON AIR
COCOらじ(2)
Today's guest
「東御市役所 健康保健課 保健係 永島美典さん」
---朴:「これまでの保健師の現場から、地域で心の健康に関して印象に残っている出来事ってありますか?」
永島:「例えば、子育てをしているお母さんが子供に対してイライラしてしまうとか怒ってばかりになってしまうことがあって、こういう風に接した方が良いという接し方の方法を一生懸命保健師という立場で指導しますが、でも、よくよく聞くとそのお母さんの悩みは別のところにありました。そのお母さんも親や周りから自分を大事に思われていない環境で育っていたり。じゃあ、そういう人がみんな心が健康でないかというとそうではないんですが。わだかまりが心の中にあると、いくら私たち保健師がこうしたら良いですよとか、好き嫌いしないでこうして下さいと、伝えてもそれが出来ないですよね。出来ない人にいくらこうしてほしいということを伝えても苦しくなるだけです。その出来ない理由や何故出来なくなってしまうのかということを大事にして、その人が出来るようになるまで待ってあげないと苦しいなと思います。そういうことは病気や障害ではないし、心の健康とつながっているのかなと思います。」
---朴:「韓国には、"3歳の癖は80歳までいく(세살 버릇 여든까지 간다)"という諺があります。日本でもありますかね?」
永島「三つ子の魂百まで!」
---朴:「昔の方々はそれなりの洞察力があったんですよね。振返ると過去の記憶が今に残っていると。3歳までに積み重なった、深層の無意識の中に入った記憶と言うものが80歳になってもその人の行動に影響を与える。これは精神学的にみても立派なひとつの概念なんですよ。子育ての中で、子どもの心理を理解することは大切だと思いますよね。もちろん自分の過去の経験があったとしても、客観的にみることはできます。
---朴:保健師として心の健康のためにやっていることは何ですか?
永島:「自分のこととか自分のまわりの人のことを大事に、大切に思えるといいなぁと思います。でも、自分を大事に思うことと自分勝手だったり自己中心的になることとは違います。自分のことを考えたり振り返ったりすることが大事なんじゃないかなと思っています。
市でやっていることは、こんなふうに考えたり語ったり、おしゃべりをする場をつくるということでワークショップなどの啓発事業を行っています。また、心のサインに気付くようにということで、ゲートキーパー養成講座を開催しています。関心があっていろんなことを語りたい方、ぜひお越しください。また、困った時に思いを打ち明けられる場所を増やしたいということでは、冊子"困ったときの相談窓口"を市報と一緒に東御市の各世帯にお配りしました。また、精神科医による無料相談を毎月第2木曜日の午後に予約制で開催しています。保健師もみなさんに寄り添いたいと思ってやっていますので、お気軽に保健師に相談していただけたらと思います。まずはお電話ください。その方に合ったさまざまな窓口をご紹介したいと思います。」
番組中に寄せられたメッセージ
募集テーマ:あなたにとっての心の健康って?
>五十路の山ガールさん
健康って どんな状態を 言うんでしょうか。誰を 基準に考えるんですか。基準がありますか。健康って 考えること自体が不健康な状態に陥っているような気がしてきました。
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