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【連載】心のラジオ、COCOらじ 《Vol.9秋号》 

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    「心」って、何でしょうか?心が健康な状態で生きることとは、何を意味しているでしょうか。「COCOらじ」では、このような疑問に対して、リスナーさんとともに答えを見つけていく番組です。

    心に該当する英語の単語には「mind」があり、「精神」として解釈されます。神経科学が発達している今の時代では、心は脳の作用によるもので精神的活動として理解されますが、古代ギリシャ-時代では、ちょっと違った考え方を持っていました。哲学者であったアリストテレスは、"心は心臓に位置しているもの"だと考え、また、古代アジアにおいても"心の丈夫な人は、心臓が強い人"と言われるなど、心の存在を心臓と関連付けて理解する傾向があったのです(確かに私たちは、寂しかったり、悲しかったりすると頭が痛くなるよりも胸が苦しくなる経験をします)。
    20世紀に入ってから、「心=脳機能」を証明しようとする科学的なアプローチによって、心に対する神秘が科学的観点から部分的に解明されるようになりました。しかし、これらの解明はあくまでも部分的理解にすぎなく、依然として、心という大きな正体について正確な答えを出す学者は未だにいません。例えば、心臓移植を受けた人が、心臓提供者の性格や趣味、食性に似ていく実話を科学的立場から仮説を立てて証明することが極めて難しいからです※。
    精神分析では、人の心を「見える部分と見えない部分」、即ち、「意識と無意識(非意識とも言う)」に分けています。無意識で生じる感情や思考はとても複雑で支配力があり、日常の行動や選択に大きな影響を与えると言いますが、これは、時々私たちでも経験することです。普段は考えてもいなかったことを相手にして(言って)しまったことでお困りになったことがあるかと思いますが、これが、無意識的行動によって生じた例かもしれません。精神分析では、こういう理由で自分の心を理解することは自分の無意識を理解することだと考えます。人の無意識の深さは底が見えないため(非可視的なもの)、探究することも簡単ではありませんが、無意識を理解することは確かに自分自身への理解につながることがあります。
    心の大切さに気づくことは、人が人らしく生きるために、健康で幸せに生き切るためにとても重要なことだと思います。心を大切にすること、心が管理できること、無意識に隠れている心の傷、葛藤、恐怖などに対して理解を深めることは、私たち皆が生きる上に最優先的に考えなければならない「宿題」かもしれません。

    ※このような現象について科学的に説明しようとする神経科学者らもいますが、彼らの仮説と主張を100%裏付けられる完璧な証拠はなく、あくまでも部分的現象への主張である。

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