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【連載】健保の窓《NO.206》 ◆スーパーマンとバットマン (心のシンボル)

  • スーパーマンとバットマン
    - 心のシンボル - 

    あなたは、読書が好きですか?どんなジャンルの本を読みますか?それぞれ好みはあるかと思いますが、私は以前小説をよく読んだりしていました。作家の想像力が作り上げた世界で様々なファンタジーを経験していたことを今も覚えています。

    しかし、小説だからといってすべてが面白いわけではありません。何一つ苦労もせずに生まれながら恵まれた環境のおかげで成功に導かれた話や苦しい失敗談をただただ記述している話では、読者の心に感動を与えることができず、記憶からも消えてしまいます。人の心は、どんな話にときめくのでしょうか。魅力的な話にするためには、二つの条件が必要です。一つ目は、誰かを真似た話ではないこと(独創的で創造的なオリジナルの話)、二つ目は、話の展開が単調でなくジェットコースターのように山あり谷ありの波瀾万丈の話であること。人は、劇的な話の展開を通して自分の生き方を投影し、主人公の立場を共感しながら主人公になり替わっていくのです。

    心理学では、人間が持つ欲求の一つに自己重要感があると言います。自己重要感とは、自分を認めてもらい、自分の存在価値を確かめたい欲求として説明できますが、この心理のおかげで人は主人公になること、有名になることを夢見ます。そして、その夢を手に入れるために形あるもの、目に見えて評価できるもの(ex、財産、人気、名誉、学歴など)を得ようと必死になります。しかし、主人公になるためには形あるものや条件よりももっと大切で本質的なものが必要です。

    人生の舞台で主人公として生きる、そのために必要なものは何でしょうか。それを知るヒントが、スーパーマン、バットマン、スパイダーマンのようなヒーロー物語の中に隠れています。映画の中で映る彼らの共通点、あなたはわかりますか。空を飛ぶ力?不思議な超能力?不死身な身体?いいえ、もっと大切なものです。

    人からヒーローだと言われる彼らの共通点は、一般人にはない不思議な力ではなく、自分が自分だと言える胸のシンボル、心の証しを持っていることです。スーパーマンの胸の「S」、バットマンとスパイダーマンの胸の「コウモリ」と「クモ」、このようなシンボルは彼らのアイデンティティであり、他人と区別できる自分の物語なのです。

    あなたの胸にはどんな心のシンボルがありますか。人生の舞台であなたと他人を区別してくれる自分の物語があなたにはありますか。
    次号の「TELL A VISION -マイストーリー-」で、「心のシンボル」についてより詳しくお話します。

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