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【連載】健保の窓《NO.207》 ◆TELL A VISION (マイストーリー)

  • TELL A VISION
    - マイストーリー - 

    ヒーロー物語は、時代を問わず多くの人に愛されているものです。悪に立ち向かい、正義を貫き、弱者を助け、平和を守るその姿は、人の心に勇気と希望を与え、光を取り戻してくれます。
    たくさんあるヒーロー物語の中でも、特に私の記憶に残っているのは、スーパーマンの話しです。子どもの頃、スーパーマンになりたくて映画の中でスーパーマンが変身すると私も変身し、赤いマントで空を飛ぶ姿で私も赤い風呂敷を首に巻いて机から飛び降りたりしたことを今も覚えています。同じことが真似できれば、スーパーマンになれると信じていたからです。
    5年前のある日、大学3年生だったS君が相談に来ました。頭が良くて勉強もできた彼は、いつも誰かの評価基準の対象として例えられる優秀な子でした。当然、彼に対する親の期待も高く、その期待を裏切らないように彼は必死に勉強し、親の望みであった某大学の工学部に入学しました。そんな彼が、大学はもうたくさんだと、いきなり言い出してきたのです。自分の人生を歩みたいと思ったのがきっかけだったようで、彼の嘆きの中で今でも印象に残る言葉があります。

    "僕の今までの人生は、周りに自慢できる息子として成長してほしいという親の期待感をそのまま受け入れ、自分のやりたいことより親が求めることを優先して生きてきました。目に見える形で結果を残していたから、周りからたくさんほめられたりしていましたが、ある日ふっと自分を振りかえた時に私は誰なのかが分からなくなってきたのです。まるで、心に大きい穴を持つ人形のように感じられ、また、自分の人生が表現できる一言がどうしても見つからなかったんです。"

    自己選択による人生でなく、周りの声(期待や批判)に左右されながら生きてきた彼は、赤い風呂敷を首に巻いたスーパーマンの姿をしたヒーローでした。しかし、ヒーローの胸にあるべきシンボル(自分の物語)はなかったのです。
    人生の舞台でヒーローとして生きるための最も重要な鍵は、脚本です。華やかな演技のために小道具をたくさん揃えても渾身の演技で皆を驚かせても、魅力的な脚本がないと舞台は作れません。脚本は、テレビで映る俳優の素敵な話を真似たりするだけでは作れず、作家自身の納得できる、自分らしさを大切にする姿によって完成されるのです。あなたが自分の舞台に立ったヒーローであれば、この真実を覚えて下さい。自分の弱さを隠そうとせず、むしろ、ジェット・コースターのような波瀾万丈の人生だけれど「笑顔」も「涙」もすべて自分のものだと胸を張って生きる姿、その生の形が舞台で響き渡った時、あなたは観客にとってのヒーローになれるのです。テレビジョン(TELEVISION)から聞こえる誰かのヒーロー話から離れ、これからは自分の話(TELL A VISION)をありのままで書いていく人生。今は大変でも自分らしささえ忘れていなければ、あなたの人生は人の心を救うヒーローの物語に変わります。ヒーローは、「神秘的な能力者ではなく、人の心がときめくオリジナルの自分の物語を持っている人」であることを忘れないで下さい。次号では、「こころの声 ~心の引っ越し~」についてお話します。

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