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【連載】健保の窓《NO.208》 ◆こころの声 (心の引っ越し)

  • こころの声
    - 心の引っ越し - 

    大学で授業を教えると、今まで一緒に過ごした家族や友達から離れ、期待と不安を抱えながら一人暮らしを始めた学生たちに出会います。この暮らしは、彼らが今まで深く考えなかった自分の声と他人の声の違い、また、自分の声に丁寧に寄り添うことの大切さを教えてくれます。

    ある日、40代の女性(Mさん)が相談に訪れました。息子との関係に悩んでいた彼女は、誰よりも子育てに熱心だったし、子どもの将来のことや幸せを心から祈るお母さんでした。Mさんは、息子が小さかった頃から立派な成長を期待し、才能が活かせる人生を送ってもらいたいと、多くの習い事に背中を押しつつ、親なりの教育的言葉をかけながら支えてきました。しかし、息子は大きくなっていくにつれ、母との会話を拒み、親から離れようとするその姿に、Mさんは戸惑いを感じていたのです。"息子のことを誰よりも理解しているつもりで、将来、息子の才能に合った仕事ができるように一生懸命に支援してきたはずなんですが"というため息とともに。親であれば誰もが、子ども自身の幸せな人生、才能が活かせる仕事に巡り合うことを願います。しかし、その願いを子どもに伝える前に先に知っておくべき重要なことがあります。

    自分の才能に合う仕事を「「VOCATION(適職、天職)」と言いますが、これはラテン語の「VOCARE(ヴォカーレ)=呼び出す」が語源になっています。「VOCARE」はさらに、「VOCAL、VOICE(声)」とも関係ある語源であり、そこから考えると、「適職、天職」は本人の心の中から自分を呼び出す声に気づき、注意深くその声を聴くことによって見つかるものとして理解できます。自分にとって好きなもの、嫌いなものは何なのか、磨くべき才能や持っている素質は何なのか、疑問だらけの自分のことを理解し、心の声を聴く力を育むことによって心から求めている幸せな人生に巡り合うことができるのです。

    私たちは、一人(独り)になる時間を通して自分の心の声に向き合える体験を得ることができます。自分の心の声を妨げている「心の周辺」の音(他人の声)から離れ、自分の声に集中できる「心の中心」に引っ越しをすること。日頃から心の声を丁寧に聴こうとする姿勢は、自分の中でまだ発見できていない才能を導き出す地図になります。

    知ることが少なければ、愛することも少ない(レオナルド・ダ・ヴィンチ-)。

    私たちは、自分の中に何があるかを知るために生きる旅を続け、人生を学ぶのです。学びの意味を理解し、無駄な力に頼らず、心から人生を愛することができれば、幸せな日々はあなたのものになるでしょう。次号では、「こころのリセット-背負うべき荷物・捨てるべき荷物-」についてお話します。


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