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【連載】健保の窓《NO.210》 ◆こころのランゲージ (白い犬と黒い犬)

  • こころのランゲージ - 白い犬と黒い犬 - 

     ある日、おじいさんと孫が道を歩いていました。
     遠くから埃のようなものが舞い上がってきたので、不思議に思っていた二人が近づいてみたら、白い犬と黒い犬が大ゲンカをしていたのです。 
    目の前のケンカに孫は不安を感じながら、おじいさんに話しかけました。

     "おじいちゃん、何で、あの白い犬と黒い犬が戦っているの?" 

     おじいさんが答えます。  

    "良く見てごらん。実はね、あなたの心の中にも同じような戦いがあるんだよ。 
    2匹の犬の間で起こる恐ろしい戦いなんだ。黒い犬は、怒りや嫉妬、悲しみ、後悔、欲、高慢、自己憐憫、自責感、抑圧感、劣等感、偽り、虚勢、優越感などの形をしたもので、白い犬は、喜びであり、平和、愛、希望、平安、謙遜、親切、慈悲、共感、許し、真実、情け、そして、信念のようなものだ。 
    今、あなたの中でも同じような戦いが広がっているし、そして、他のすべての人の内面でも同じような戦いが起きているんだ。わかるかな?" 

     それを聞いた孫が、また質問してきました。 

     "おじいちゃん、ではね、二人が戦ったらどっちが勝つの?"

     この質問に対してあなたは、何と答えるのでしょうか。
    もし、家族の中で誰かがこのような質問をしてきたら、どのように答えますか? 
    自分を支えてくれる内面の姿と自分を苦しめる内面の姿が戦えば、どっちが勝つの?と聞かれたら、どうしますか? 
    そして、あなたの中の戦いは、どんな感じですか? 白い犬と黒い犬、どちらの犬が優勢なのでしょうか。 

     おじいさんが答えました。

     "それはね、実は、とても簡単な問題なんだ。 普段からね、あなたがどちらの犬に餌を与えているのか、それを見ればわかる。
     餌をたくさんもらった犬のほうが力も強く、勝つようになるんだよ。"  

    あなたは、普段からどちらの犬に餌を与えているのでしょうか。 
    餌というのは、普段からの思考を隠喩的に表したものです。 
    怒りや嫉妬、悲しみや後悔などの考えが心を支配しているのか、それとも、喜び、平和、愛、希望などの考えをしっかり持って心を育てているのか。 

    ある考えを繰り返すことは、神経回路に影響を与えて行動に結びつきます。 
    そして、そのような一連のプロセスは、神経科学の領域で、すでに明らかにされている科学的な事実です。 
    前向きで幸せな人生を送るためには、心の形に影響を与える考えのクセを確認しましょう。
    また、何事でも前向きな思考で捉える心のトレーニングをしましょう。 そして、どのような心を育てたいのか、日々の意識と覚醒を忘れないで下さい。  

    次号では、「こころのランゲージ-あなたを支える一つの言葉-」についてお話します。
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