こころに届くコミュニケーション
- 7・38・55のルール -
平成24年度の労働安全衛生特別調査では、「職場での人間関係」が「仕事の質」や「仕事の量」よりも働く人のメンタルヘルスに与える影響は大きいと報告しています。
なぜ、職場での対人関係が大きなストレス要因になっているのでしょうか。
そして、人間関係か上手くいかない背景にはどんな原因があるのでしょうか。
その原因の一つとして「コミュニケーション力の欠乏」が言えると思います。
この要因は、実は多くの人が日常の生活の中で抱えている悩みでもあります。
あなたのコミュニケーション力はどうですか?
人との円滑なコミュニケーションのために特に意識していること、注意していることはあるのでしょうか?
今回の連載では、相手に自分の思いを上手に伝えるための重要なポイントについて紹介したいと思います。
相手に自分の思いを上手に伝えるためのポイント!それは、優れた話術でも、正しい情報でもない、話をする人のイメージ(印象)なのです。
相手の目に映る話す人のイメージ、これこそが上手なコミュニケーションをしていく上で重要なポイントです。
人のイメージは顔で決まることが多く、なぜかというと顔はその人の「心が現れた器・心の形」とも言えるものだからです。
顔の中でも口が占める影響力は大きく、口から現れる「表情、言葉、声」が特に重要な役割を果たします。
この三つは、人のイメージを作る上で決定的な要素ですが、興味深い点はこれらの要素は普段からの相手に対する「姿勢と態度」によって作られることです。
話し合いの中で相手が無意識に見ているのがこれ!(自分に対する相手の心の姿勢と態度)。
だから、どんなに情報が正しく重要であっても、伝える姿勢が感情的な壁を作るようであれば、相手は心と耳を閉ざしてしまうのです。
アルバート・メラビアン(UCLA大学心理学教授)さんは、上手なコミュニケーションの構成要素として「表情や態度」が55%、「口調や話の速さ」が38%、そして、「話の内容」が7%を占めると言いました。
彼の話から私たちの日常のコミュニケーションを振りかえてみると気づく点が多々あるかもしれません。
「7%」を占める「話の内容」だけにこだわっているのか、それとも、「93%」に至る相手の目に映る「表情や態度、言葉」、つまり、相手に対する自分の心の態度と姿勢なのか。
心に伝わるコミュニケーション力のポイントは、教科書の中の心理スキルではなく、あなたの心の中にあることに気づいてほしいのです。
次号では、「正しい言葉と優しい言葉」についてお話します。