- 子どもの自殺の危険に対処するには子どもたちがあらわす変化の背景にある意味のひとつひとつを丁寧に理解しようとすることが大切です。死にたいと訴えられたり自分の身体を傷つけていたりすることがわかったらそれを決して軽視しないことです。信頼感のない人間関係では子どもは心のSOSを出すことができません。子どもとの間に日頃から信頼関係が成り立っていることが大切です。子どもから「死にたい」と訴えられたり自殺の危険の高まった子どもに出会ったとき相談者自身が不安になったりその気持ちを否定したくなって「大丈夫、頑張れば元気になる」などと安易に励ましたり「死ぬなんて馬鹿なことを考えるな」などと叱ったりしがちです。しかしそれではせっかく開きはじめた心が閉ざされてしまいます。自殺の危険が高まった子どもへの対応においては次のようなTALKの原則が求められます。Tell: 言葉に出して心配していることを伝える例)「死にたいくらい辛いことがあるのね。とってもあなたのことが心配だわ」Ask:「 死にたい」という気持ちについて、率直に尋ねる例)「どんなときに死にたいと思ってしまうの?」Listen:絶望的な気持ちを傾聴する死を思うほどの深刻な問題を抱えた子どもに対しては子どもの考えや行動を良し悪しで判断するのではなくそうならざるを得なかったそれしか思いつかなかった状況を理解しようとすることが必要です。そうすることで子どもとの信頼関係も強まります。徹底的に聴き役にまわるならば自殺について話すことは危険ではなく予防の第一歩になります。これまでに家族や友だちと信頼関係を持てなかったという経験があるために助けを求めたいのに救いの手を避けようとしたり拒否したりと矛盾した態度や感情を表す子どもいます。不信感が根底にあることが多いのでそういった言動に振り回されて一喜一憂しないようにすることも大切です。Keep safe:安全を確保する危険と判断したらまずひとりにしないで寄り添い他からも適切な援助を求めるようにします。